検索ボックスや関連キーワードに「麦ご飯 デメリット」って出てくると、とても気になりますよね。
麦ご飯を1ヶ月以上食べ続けている筆者が、麦ご飯のデメリットを紹介します。あわせてメリットと、デメリットを解消する方法についても解説します。
麦ご飯の特徴
給食や麦とろのお店でおなじみの麦ご飯。
もち麦ダイエットが話題になるなど、健康やダイエット目的に始める人も少なくありません。
麦ご飯には、そもそもどんな特徴があるのでしょうか。解説していきます。
白米と大麦を混ぜて炊飯した歴史ある食べ物
麦ご飯は、白米と大麦(もち麦や押し麦)を混ぜて炊飯したものです。
弥生時代のころ、中国から大麦が伝来。奈良時代には広く栽培され、麦ご飯として食べられるようになったとされています。
徳川家康や昭和天皇が主食としていたことでも知られ、昔から日本人には馴染み深いものなんです。
栄養が豊富で特に食物繊維量に優れる
麦ご飯は、炭水化物に加えて、タンパク質やビタミン、ミネラルを含みます。
大麦の1種であるもち麦のタンパク質は、白米の約2倍、ビタミンEは約3倍です。
さらに大麦は、特に食物繊維量が豊富で、100gで比較するとゴボウやサツマイモなどよりも多いです。
もち麦でいうと、レタスの12倍も食物繊維が含まれています。
麦ご飯は、現代人に不足しがちな食物繊維が手軽に摂れる優秀食品なんです。
(食べすぎには注意が必要ですよ!)
健康だけでなくダイエット目的でも食べられる
前述の通り、麦ご飯に使われる大麦は食物繊維が豊富です。
そのため、ダイエットの天敵でもある便秘の解消に効果的と言われています。
また、食物繊維の中でも不溶性食物繊維のβ-グルカンが豊富で、食後の血糖値上昇を抑えて、脂肪をつきにくくする作用が期待されています。
さらに、セカンドミール効果といって、朝に麦ご飯を食べるとお昼の摂取カロリーを抑ることができると知られています。
これらがダイエットにも麦ご飯がよいされる理由なんです。
麦ご飯のメリット
麦ご飯のメリットについて、大麦食品推進協議会でまとめられている大麦の効用と、筆者が実際に1ヶ月以上食べ続けて感じているものをまとめていきます。
麦ご飯のメリット①血中コレステロールが下がる
麦ご飯に使われる大麦のβ-グルカンは、血中コレステロールを低減するとされています。
高コレステロール血症でBMI22以上の男性44人を対象にした実験で、麦ごはんを食べたグループは、総コレステロール値、LDL-コレステロール値ともに8周目から低下が確認されています。
β-グルカンは、コレステロールや胆汁酸と小腸で結びつき、吸収を妨げて体外に排泄させる働きをすると考えられているのです。
ちなみに、麦ご飯に限らず、大麦を使った麺類、パン、菓子、シリアルなどでも、β-グルカンが一定以上摂取されれば、その効果は発揮されるそうですよ。
健康診断の結果でコレステロール値が高かった場合、大麦を毎日の食事に取り入れたいですね。
麦ご飯のメリット②食後の血糖値上昇が抑制される
麦ご飯に使われる大麦のβ-グルカンには、食後の血糖値の急上昇を防ぐ作用があるとされています。
これは、β-グルカンが、食べたものをゼリー状に包むことで、胃から腸へゆっくり移動させるためです。
消化吸収に時間がかかることで、血糖値が緩やかに上昇するのです。
ちなみに、食品を食べた時の血糖値の上がりやすさを数値として表したものとして、GI値があります。
白米のGI値100が基準で、一般的には、83以上は高GI値と呼ばれ血糖値が非常に上がりやすい食品です。
64以下になると低GI値といって血糖値の上昇が緩やかであるとされています。
麦ご飯のGI値は1膳分(約160g)約48.3で、低GI食品といえます。
麦ご飯のメリット③満腹感が持続して総摂取カロリーが抑えられる(セカンドミール効果)
麦ご飯に使われる大麦は食物繊維が豊富なため、胃や腸の中でゆっくり消化されます。
その結果、満腹感や飽食感が持続し、1日の摂取エネルギーが抑えられるのです。
実際に、スウェーデンの研究で朝に大麦を摂取して、昼には大麦を含まない食事を摂取しても食事摂取量が低下したというものがあります。これは、夜に大麦を食べても、翌朝の大麦を含まない食事でも同様であることが報告されています。前の食事が次の食事の摂取量に影響することをセカンドミール効果といいます。
筆者は、朝と昼に麦ご飯を食べているので、間食がなくても平気ですし、夜もお腹いっぱいに感じるのが早くなりました。
麦ご飯のメリット④お腹に脂肪が蓄積されるのを抑制できる(メタボ解消作用)
麦ご飯を食べることで、腹囲、体重、BMIが低下することが期待されています。
男性と女性47名について3割の麦飯を12週間、1日2回摂取した実験があります。
その結果、腹囲の有意な低下と体重とBMIの低下傾向が確認されているようです。
また、男性による5割麦飯、12週間摂取の実験では、内臓脂肪の低下が認められています。
これは、食後の満腹感が持続することで、過剰なエネルギー摂取を防げることが、1つの理由と考えられています。
また、血糖値が高くなるとインスリンが分泌されます。その際、使われなかった余分な糖は脂肪として蓄積されてしまいます。大麦の「血糖値の急上昇を抑制する効果」が肥満防止に繋がると考えられています。
麦ご飯のメリット⑤お金がそれほどかからない(コスパがよい)
これは筆者の体験談ですが、麦ご飯を食べるコストはお茶碗1杯あたり約30円ほどです。
1日2杯食べているので、1日60円ですね。
内訳としては、以下です。
筆者は、「はくばく」さんのもち麦を食べていて、600gで486円が定価です。
スーパーだと300円〜400円くらいで買えることが多いです。
400円で購入したとして、麦ご飯1杯分に換算すると、11〜12円ほどになります。
(もち麦3割白米7割の割合で炊くと、もち麦100gでお茶碗6杯分の麦ご飯が作れます)
ふりかけをかけて食べることが多いのですが、ふりかけは1杯につき20円ほどです。
もち麦とふりかけをあわせて約30円という計算になります。
このように、麦ご飯は、あまりお金をかけずに続けることができています。
麦ご飯のメリット⑥手軽に続けられる
筆者の場合は、ふりかけやお漬物などで毎日の麦ご飯を手軽に楽しんでいます。
もち麦を使ったレシピや相性のよい食材とかを考え始めてしまうと大変なのですが、もともと白いご飯が好きなので、ご飯のお供だけで十分なのです。
ただ、これは個人差がありそうです。料理が好きな場合はいろいろと作るのが苦ではないでしょうし、白いご飯よりもパンや麺類が好きな場合は別の食べ方を考えないと続けられないと思います。
ちなみに、筆者は1回に麦ご飯を3合分炊いておいて、冷凍して必要なときに0.5合ずつ温めて食べています。
麦ご飯のメリット⑦楽しんで続けられる
筆者の場合、毎日「今日は何と一緒に麦ご飯を食べよう」と考えるのがとても楽しいです。
スーパーに行っても、色々なふりかけやご飯のお供を探すのがとても楽しいです。
これは、白いご飯とご飯のお供が好きだからというのが大きいですね。
▼こんな感じで楽しんでいます
麦ご飯のデメリット
続いて、麦ご飯を食べるデメリットを紹介していきます。
麦ご飯のデメリット①オナラが出やすくなる
麦ご飯を食べるとオナラが増えると言われます。
麦ご飯に使われる大麦の食物繊維が豊富だからと考えられています。
食物繊維は、腸の中で分解されるときにガスを発生させます。また、腸内細菌は食物繊維をエネルギー源に使います。このときの代謝によっても、ガスが発生します。これらのガスが、オナラのもととなるそうです。
ちなみに、筆者の場合は、もともとオナラが多いのもあって、麦ご飯を食べ始めたからといってオナラが増えた感じはしていませんね。
食物繊維の摂取量がいきなり増えた場合、とくにオナラが増えたと感じるのだと思います。
麦ご飯のデメリット②食べすぎると便秘や下痢になる可能性
麦ご飯を食べ過ぎると、便秘や下痢になると言われます。
これも大麦の豊富な食物繊維によるものと考えられています。
食物繊維には、水に溶けてネバネバする水溶性食物繊維と、水に溶けずに水分を吸収して膨らむ不溶性食物繊維があります。大麦には、これらがバランスよく含まれています。
麦ご飯を食べて下痢になってしまうのは、大麦に含まれる「水溶性食物繊維」と「フルクタン」の働きだと考えられています。水溶性食物繊維は便を柔らかくする効果があり、フルクタンは人によっては腸で分解がしづらく下痢を引き起こすことがあるそうです。
便秘になってしまう原因としては、他の食事とのバランスで「不溶性食物繊維」が多くなってしまっている可能性があります。不溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸収することで便を増やす働きがあり、水分が少ないと便秘になってしまうのです。
また、食物繊維を摂取しはじめると腸内環境が変化します。腸内が変化に慣れるには時間がかかり、人によってはガスが溜まってお腹が張ってしまうこともあるようです。
麦ご飯のデメリット③胃もたれや胸焼けを起こす可能性
麦ご飯のメリットとして、満腹感が持続される=腹持ちがいいというのがありましたね。
一方で消化に時間がかかるということでもあるので、よく噛まずに食べると胃に負担がかかってしまう可能性があります。
実際に筆者も、梅干しご飯にして食べたときには、しょっぱさのあまり良く噛まずに麦ご飯を食べてしまって胸焼けを起こしてしまいました。
麦ご飯のデメリット④アレルギーが起きる可能性
麦ご飯を食べて稀にアレルギーが起きることがあるそうです。
麦ご飯に使われる大麦は小麦と違ってグルテンがほとんど含まれてはいません。ただ、小麦アレルギーの原因物質のグルテンと、大麦のたんぱく質ホルデインはよく似た分子構造をもつため、稀に大麦でもアレルギー反応を起こすことがあるそうです。
なので、小麦アレルギーがある人は、大麦にも注意が必要です。
麦ご飯のデメリット⑤大麦の種類がありすぎてわからない
麦ご飯に使われる大麦にはたくさんの種類や商品があります。
大麦の品種や種類は、もち麦、押し麦、スーパー大麦など、何が何やらわからなくなります。また商品も豊富なので、どれを選んでいいのか迷ってしまいます。
本記事では解説しきれないので、下記のリンクから関連記事をご確認ください。
▼大麦の品種や種類については、こちらから詳しく見ていただけます
麦ご飯のデメリット⑥急には痩せない
麦ご飯にダイエット効果が期待できるとはいえ、過度な期待は禁物です。
筆者がそうなのですが、1ヶ月強食べ続けてみてマイナス1.7kgと劇的には痩せていません。
テレビや口コミなどで、もち麦ダイエットで短期間ですごく痩せたという理由を筆者なりに考察すると、
- もともと便秘体質でそれが大幅に改善された
- もともと炭水化物を摂取し過ぎていた
- カロリーコントロールや運動をしっかり行った
場合なのではないかと感じています。
筆者もお酒を飲むのをやめて、運動量を増やせばもっと減量できると思います。
(結局リバウンドするというのが嫌なので、今は無理せずゆっくり痩せることを目指しています)
麦ご飯のデメリット⑦食べすぎてしまう
麦ご飯が美味しくてついつい食べすぎてしまう可能性はあります。
食べすぎてしまうと元も子もないのですが、白米もしっかり含まれているので、美味しいんですよね。
筆者は、焼肉と一緒に麦ご飯を食べるのが昔から好きで実際に食べすぎてしまいました。
麦ご飯というととろろと食べるのも定番で麦とろを呼ばれるのですが、麦とろの名店もご飯がおかわりできるところが多いので、ダイエット中の場合は気をつけないといけないですね。
麦ご飯のデメリット⑧カロリーはそれほど低くない=適量じゃないと太る
麦ご飯はヘルシーというイメージがありますが、実はそれほど低カロリーではないので注意が必要です。
炊飯後のお茶碗1杯150gあたりのカロリーは
白米 243kcal
もち麦 199.5kcal
押麦 184kcal
実際は、白米と一緒に食べるので、
白米100g、もち麦50gだと162+66.5=228.5kcal
白米100g、押し麦50gだと162+61.3=223.3kcal
白米だけの場合と比べると、もち麦ご飯だと14.5kcal、押し麦ご飯だと19.7kcalの差となります。
ヘルシーといえばヘルシーですが、そこまで大きな差ではないと思います。
言うまでもなく食べすぎてしまったら太りますので、くれぐれもご注意ください。
麦ご飯のデメリット⑨麦ご飯をいちいち炊くのが手間
メリットのところで記載したように、実際に1回1回の麦ご飯を作る工程自体は、それほど手間ではありません。
ただ、筆者の場合は、1日2杯=1合ほど食べているので冷凍しても3日でなくなってしまうんですよね。
(ご飯2合に対してもち麦1合になる割合で炊いています)
ご飯を日常的に炊飯している場合には全くデメリットにならないかと思います。
ただ、家族が麦ご飯を食べない場合には分けて作らなければいけないので、ちょっと面倒に感じますよね。
(麦だけを一箇所に寄せて炊くという方法もありますが、分量コントロールが難しいです)
麦ご飯のデメリットを解消するには?
それでは、麦ご飯のデメリットを解消する方法はあるのでしょうか?
いくつかポイントがありますが、とても簡単に実施できる内容ばかりです。
麦を少量ずつ試していく
1つ目のポイントは、麦を少量ずつ試していくことです。
アレルギー反応の有無を確かめたり、腸内環境の変化を緩やかにするためにおすすめです。
具体的には、はくばくさんも推奨しているように、お米1合につき大麦25g、水50mlから始めるのがよいと思います。
これで問題ない、物足りなくなってきたら、お米1合につき大麦50g、水100mlと増やしていくのがおすすめです。
食事の際に水分を摂る
麦ご飯を食べる際には、水分を積極的に取ることもポイントです。
水分を十分に取ることで消化吸収を助け、発生するガスを緩和させたり、便秘を防いだりすることができます。
また、ダイエット目的の場合には、食事前から食事中にかけてコップ1杯程度の水を取ることで、より食べ過ぎを防ぐことができます。
筆者も、水を飲むことで満腹感を得るのが早くなっていますし、お酒の飲みすぎやおつまみの食べすぎを防ぐことができています。
よく噛んで食べる
麦ご飯をよく噛んで食べることも重要です。
消化吸収を助けるとともに、咀嚼することで満腹感を得ることができます。
よく噛まないで食べると消化不良や胸焼けを起こしたり、食べすぎてしまったりとデメリットばかりになってしまいますので、個人的には一番意識したいポイントです。
食べるタイミングは朝か昼(可能なら朝と昼)
麦ご飯は消化に時間がかかるので、就寝前に食べるのは避けたほうがよいとされています。
ダイエット効果を狙うなら朝と昼の2回がおすすめですが、お昼はどうしても職場でランチになってしまうという場合は、朝に食べるようにすると、お昼の食べすぎを防ぐことができます。
(麦ご飯のメリットに、食べた次の食事のカロリー摂取量を抑制するセカンドミール効果がありましたね)
お漬物などの発酵食品と一緒に食べる
麦ご飯に多く含まれる食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなるため、善玉菌を増やしてくれます。
あわせて悪玉菌の増殖を抑える働きをもつ乳酸菌を取ることで、より腸内環境を整えてくれることが期待できます。
納豆やお漬物、キムチやヨーグルトと一緒に食べるのがおすすめです。
冷ましてから食べる
麦ご飯は炭水化物が豊富です。炭水化物に含まれる糖質は、冷めると難消化性でんぷんの「レジスタントスターチ」が増えるとされています。それによって、さらに消化されにくく、血糖値の上昇を抑えることができます。
冷めても美味しいおにぎりにしておけば、職場でも食べられるのでおすすめです。
自炊にこだわらず、市販品を食べる
麦ご飯を炊くのが大変だったり、少量から試してみたい場合には、市販品を買うのがおすすめです。
コンビニでは、もち麦を使ったおにぎりが多く出ていますし、レトルトのパック麦ご飯もスーパーで簡単に手に入ります。
いきなり買って失敗したくないという場合には、まずは1週間、1日1食から始めてみるとよいと思います。
筆者も外出時や余裕のないときは、市販品に頼っています。
まとめ
麦ご飯のデメリットについて、メリットとデメリットの解消方法とあわせて紹介しました。
食べ方を間違えてしまうと怖いデメリットもありますが、ちょっとしたことに気をつけるだけで多くのメリットが得られるので、ぜひ試してみてください。
▼麦ご飯のパックはこちらがおすすめです