誰もが一度は気になる刑務所での食事。麦飯が食べられているらしいですが、その理由はなぜなのでしょうか。どんなふうに食べられているのかとあわせて、その理由を調査しました。
刑務所で麦飯＝麦ご飯が食べられているって本当？
刑務所で麦飯（麦ご飯）が食べられているのは本当のようです。
元『モーニング娘。』の後藤真希さんの弟である後藤祐樹さんがおとなの週末の特集記事でも言及されていますね。
後藤祐樹さんいわく、「麦飯は独特の味があって、付け合わせがなくても食べられる。刑務所では、白いご飯が食べられるのは正月3が日だけで、楽しみにしてたところ、白米だけってあっさりし過ぎて拍子抜け。」
普段の麦ご飯のほうがよかったと思われたそうです。今でも、麦ご飯が好きで食べているようです。
ちなみに、受刑者は麦飯のことをバクシャリと呼んでいるそうです。白米が銀シャリと呼ばれることに対して、「麦＝バク」＋「ご飯＝シャリ」ということのようです。
麦飯はいつから食べられているの？
刑務所で麦飯が食べられるようになったのはいつからなのでしょうか。
Wikipediaによると明治時代に近代懲役刑の導入とともに麦飯が導入されたようです。懲役刑は1873年からなので、150年近くの歴史があるのですね。
ちなみに、刑務所の食事は「臭い飯」と呼ばれますが、「終戦後など食料事情の悪い時代には南京米の本当に臭気のする飯が服役者に出されて」いたことがルーツのようです。今ではそのようなことはないようです。
麦ご飯は、古くは徳川家康や昭和天皇が主食としていたことでも知られており、麦飯＝臭い飯ということではなさそうです。
どんなふうに食べられているの？
刑務所の麦ご飯は、「古々米5割、古米2割、麦3割の配合」のようです。
古米（こまい）は、前年に収穫された米のことで、前々年に収穫された米を古古米・古々米（ここまい）といいます。
麦は、もち麦ではなく押し麦（うるち麦）のようですね。
刑務所で麦飯が食べられている理由
刑務所で麦飯が食べられている理由は、安い費用で脚気（かっけ）を予防するためのようです。
麦は安価で、貧しいイメージがあった
大麦は、白米よりも高い値段で流通していることが多いですが、かつては安価で、麦＝貧乏人というイメージまであったようです。
「貧乏人は麦を食え！」という言葉までありました。昭和25年に池田勇人蔵相が「所得の少ない方は麦、多い方は米を食うというような経済原則に沿ったほうへ持っていきたい」と予算委員会で答弁。それが、翌日の新聞で報道されたときの言葉だそうです。
現在は健康食品として、もち麦やスーパー大麦などが話題になることのほうが多いですよね。
白米が増えた江戸時代から脚気（かっけ）が大問題に
江戸時代に江戸や大阪では白米が普及した結果、ビタミン不足から脚気が大流行したそうです。これは神経障害から足のしびれが起きる病気だそうですが、死に至ることもある怖い病気です。
江戸で大流行したことから、江戸患い＝江戸の奇病と言われました。江戸を離れると、玄米、麦、雑穀が主食になるのでよくなったそうです。
また、明治時代になると、日露戦争の際には、白米のみを主食とした陸軍で多数の脚気による病死者が出たそうです。麦飯を主食とした海軍では、脚気の発生が阻止できたようです。
大麦は米と比べて食物繊維やタンパク質、ビタミンを多く含むことが知られています。
ちなみに、刑務所服役中に糖尿病患者の血糖値が著明に改善した事例まであるそうです。
その理由として、刑務所の主食が『麦飯』であることが挙げられています。米7麦3の麦ご飯を毎日食べ、水溶性の食物繊維の摂取量が多くなり、糖代謝の改善につながったのではないかと考えられています。
まとめ
刑務所で麦飯が食べられている理由は、予算と受刑者の健康を守るためでした。江戸時代から続く、麦ご飯の歴史がそうさせているのですね。
刑務所では押し麦が食べられているようですが、ダイエットや健康増進、食べやすさ、美味しさを求めるならばもち麦がおすすめです。もち麦は、もちもちとした食感が特徴で、よく噛んで食べることで満腹感が持続しやすいですよ。ぜひ試してみてくださいね。
参考資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%A6%E9%A3%AF
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10179902825
https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/35/nfm/n_35_2_2_3_1_3.html
https://trendripple.jp/15982.html
https://20692793118279.muragon.com/entry/63.html
https://note.com/sato_seiji/n/n59283b7bcefa#DvTRw
https://www.hakubaku.co.jp/omugi-lab/hyakka/ieyasu/
https://www.hakubaku.co.jp/omugi-lab/hyakka/oomugi-history/
https://otonano-shumatsu.com/articles/279520/2
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%88%91%E5%8B%99%E6%89%80